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仏教美術事典
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施無畏印
施無畏印は衆生に安楽無畏を得さしめ、一般的には一切の煩悩や畏れを取り去る為に施す印相(悟りの内容や意志を示す手指のかたち)です。仏伝によると、釈尊が王舍城(古代インドのマガダ国の首都)にいた時、ダイバダッタがアジャーシャトルと結託して、釈尊を亡き者にしようと企み、酒に酔わせた象を放ち、釈尊を踏みつけようとしました。その時釈尊が右手を挙げて五本指を広げると、狂った象は即、鎮められました。この手印こそが施無畏印なのです。